前回は、私たちの体に存在する「膜」や、筋膜の構造について説明しました。
筋膜は私たちの体で多くの役割を果たしています。今回は、その中でも代表的な筋膜の働きについて解説します。
筋膜は「第二の骨格」
突然だけど、体を支えるものは何だと思う?
えー、骨とか、、あとは骨に付く筋肉かな?
そのとおり、骨や筋肉はもちろん体を支えているんだけど、、実は、筋肉を包む筋膜にも体を支える役割があるんです!
実は、骨や筋肉が体を支える役割を果たしているのと同様に、筋膜も体の支えに重要な役割を果たしています。
「筋膜が体を支える」と言ってもなかなかイメージがわきませんが、どのように体を支えているのでしょうか。
体の中身を包み込んで支える働き
筋膜は体の中にあるさまざまな組織を包み込んで支える働きをしています。
前回の記事で解説した、皮膚や皮下組織(皮下脂肪の層)にある筋膜(浅筋膜・深筋膜)は、どちらも頭のてっぺんから爪先まで体をすっぽり覆っています。
立体的に作られたボディスーツを皮膚の下に着ているようなものですね。
全身タイツみたいな感じかな?
この筋膜のボディスーツは、まるで身体の中の「袋」のような存在で、筋肉や内臓などを守りながら全体の形を作っています。
筋肉や内蔵はそれぞれ独立したパーツですが、すべて筋膜の袋の中にきっちり収まって、人の形になっているのです。
もし筋膜がなければ、筋肉や内蔵はダラーンと勝手な方向に動いてしまって、体は人の形を保っていられないでしょう。
筋膜は、体の中のものをまとめるという大切な役割を果たしているのです。
ネットに入ったみかんを想像してみよう!ネットが筋膜、筋肉や内蔵はみかんだよ。
張力で体を支える働き
筋膜は体の中で重要な「張力(テンション)」を持っており、この張力によって、体の各部分がバランスよく支えられ安定した姿勢を保つことができます。
筋膜の「張力」が働く仕組みを、傘やテントに例えて見てみよう!
傘やテントは、フレームと生地が一体となって張り合っていることで、風や重みに対して安定性が生まれます。
これと同じように、筋膜も体の中で張られた状態で働き、体を支えています
筋膜の張力は、骨と骨の間や周囲に働きかけ、体の安定性を保ちます。
この張力によって、体の各部分がバランスよく支えられ、安定した姿勢を保つことができまるのです。
筋膜の張力は、体のバランスと姿勢を保つためにとても重要な役割を果たしているんです!
筋膜は体のセンサー
体の情報を脳に伝える働き
筋膜は体のセンサーのような働きもしているよ!
センサーってことは、なにか感知してるのかな?
筋膜は、体のセンサーのような働きもしています。
例えば、体を触ったり動かしたりすると、筋膜にはセンサーのようなものがあり、それが刺激を感知します。
筋膜から送られた刺激の情報は脳に伝達され、脳は情報に応じて体のバランスや安定を保つための指示を出します。
いろんな体の情報を脳に送っているんだね!
筋膜から脳に伝えられた情報は、脳によって解釈され、体の姿勢や動き、痛みの感じ方などに反応が生じることで、体の制御や調整が行われます。
筋膜は、このような情報の伝達を通じて、体の機能や状態を維持するために重要な役割を果たしているのです。
まとめ
さて今回は、筋膜の働きについて、代表的なものを説明しました。
筋膜は骨格と同様に体を支え、さらには脳と体のコミュニケーションの一部として重要な役割を果たしています。
実は筋膜って、体にとってとても大事なものだったんだね!
そうなんです!ではその筋膜に不具合が起こると体にはどんな影響があるかな?
えっ 筋膜に不具合ってどういうこと??
さて、筋膜が私たちの体にとってとても重要な存在であることはわかりました。
それでは正常な筋膜の状態と、そうでない状態とはどのようなものでしょうか。
筋膜に不具合が体におよぼす影響については、次回以降に詳しく見ていきましょう!